1. ここにイエス群衆と弟子たちとに語りて言ひ給ふ、
3. されば凡てその言ふ所は守りて行へ、されどその所作には效ふな、彼らは言ふのみにて行はぬなり。
4. また重き荷を括りて人の肩にのせ、己は指にて之を動かさんともせず。
5. 凡てその所作は人に見られん爲にするなり。即ちその經札を幅ひろくし、衣の總を大くし、
7. 市場にての敬禮、また人にラビと呼ばるることを好む。
8. されど汝らはラビの稱を受くな、汝らの師は一人にして、汝等はみな兄弟なり。
9. 地にある者を父と呼ぶな、汝らの父は一人、すなはち天に在す者なり。
10. また導師の稱を受くな、汝らの導師はひとり、即ちキリストなり。
11. 汝等のうち大なる者は、汝らの役者とならん。
12. 凡そおのれを高うする者は卑うせられ、己を卑うする者は高うせらるるなり。
13. 禍害なるかな、僞善なる學者、パリサイ人よ、なんぢらは人の前に天國を閉して自ら入らず、入らんとする人の入るをも許さぬなり。
14. 禍害なるかな、僞善なる學者、パリサイ人よ、汝らは一人の改宗者を得んために海陸を經めぐり、既に得れば、之を己に倍したるゲヘナの子となすなり。
16. 禍害なるかな、盲目なる手引よ、なんぢらは言ふ「人もし宮を指して誓はば事なし、宮の黄金を指して誓はば果さざるベからず」と。
17. 愚にして盲目なる者よ、黄金と黄金を聖ならしむる宮とは孰か貴き。
18. なんぢら又いふ「人もし祭壇を指して誓はば事なし、其の上の供物を指して誓はば果さざるベからず」と。
19. 盲目なる者よ、供物と供物を聖ならしむる祭壇とは孰か貴き。
20. されば祭壇を指して誓ふ者は、祭壇とその上の凡ての物とを指して誓ふなり。
21. 宮を指して誓ふ者は、宮とその内に住みたまふ者とを指して誓ふなり。
22. また天を指して誓ふ者は、神の御座とその上に坐したまふ者とを指して誓ふなり。
23. 禍害なるかな、僞善なる學者、パリサイ人よ、汝らは薄荷・蒔蘿・クミンの十分の一を納めて、律法の中にて尤も重き公平と憐憫と忠信とを等閑にす。されど之は行ふべきものなり、而して、彼もまた等閑にすべきものならず。
24. 盲目なる手引よ、汝らは蚋を漉し出して駱駝を呑むなり。
25. 禍害なるかな、僞善なる學者、パリサイ人よ、汝らは酒杯と皿との外を潔くす、されど内は貪慾と放縱とにて滿つるなり。
26. 盲目なるパリサイ人よ、汝まづ酒杯の内を潔めよ、さらば外も潔くなるべし。
27. 禍害なるかな、僞善なる學者、パリサイ人よ、汝らは白く塗りたる墓に似たり、外は美しく見ゆれども、内は死人の骨とさまざまの穢とにて滿つ。
28. かくのごとく汝らも外は人に正しく見ゆれども、内は僞善と不法とにて滿つるなり。
29. 禍害なるかな、僞善なる學者、パリサイ人よ、汝らは預言者の墓をたて、義人の碑を飾りて言ふ、
30. 「我らもし先祖の時にありしならば、預言者の血を流すことに與せざりしものを」と。
31. かく汝らは預言者を殺しし者の子たるを自ら證す。
33. 蛇よ、蝮の裔よ、なんぢら爭でゲヘナの刑罰を避け得んや。
34. この故に視よ、我なんぢらに預言者・智者・學者らを遣さんに、其の中の或者を殺し、十字架につけ、或者を汝らの會堂にて鞭うち、町より町に逐ひ苦しめん。
35. 之によりて義人アベルの血より、聖所と祭壇との間にて汝らが殺ししバラキヤの子ザカリヤの血に至るまで、地上にて流したる正しき血は、皆なんぢらに報い來らん。
36. まことに汝らに告ぐ、これらの事はみな今の代に報い來るべし。
37. ああエルサレム、エルサレム、預言者たちを殺し、遣されたる人々を石にて撃つ者よ、牝鷄のその雛を翼の下に集むるごとく、我なんぢの子どもを集めんとせしこと幾度ぞや、されど汝らは好まざりき。
39. われ汝らに告ぐ「讃むべきかな、主の名によりて來る者」と、汝等のいふ時の至るまでは、今より我を見ざるベし』
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